24 偽りなく君の手を取る
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「急いでるからさっさと片付けさせてもらうよ!」
セントビナーの住民の避難を終えたら紫季と話すんだ。だからディストを倒さないと。いつもいつもいい所で邪魔するんだから。
「紫幻―四の式、群雲」
「紫幻―四の式改、月華」
左右から私と紫季で攻撃を繰り出す。私の群雲は無数の斬撃を与える技。紫季の月華は無数の突きを与える技。刀術では突きの連続攻撃は珍しいけど、これはかなり熟練しないと出来ない技。改めて紫季の力を見た気がする。血が滲むような努力をしてきたんだろうな。けど、私だって負けていられない。
「紫幻―三の式、秋雨」
ディストの譜業兵器の関節部分に葛の葉を差し込み、一気に下へと振り下ろす。ガキンっと音を立て足の一部が崩れる。さすがにこれだけ大きいと足を全部壊すのは無理か。チッと舌打ちでも打とうかとしたら、後ろから何か気配が。って、人がいようが何だろうが関係なんだね……この間の告白って本当は嘘なんじゃないの?
「狂乱せし地霊の宴よ―ロックブレイク」
不穏な気配にほぼ野生の勘に近いもので、咄嗟に後方へと飛び退く。寸前までいた場所は地面から生えるように土塊が突き上げていた。
「ジェイド!私を殺す気!?」
刀を向ける方向が違うと言われようが何だろうが、手の中の葛の葉を譜術を放った張本人であるジェイドへと向ける。
「いえいえ、そんなあるわけないじゃないですか」
ちゃんとあなたなら避けるとわかってましたよ。なんて語尾にハートマークでも付くかのような満面な、かつ胡散臭そうな笑顔を浮かべる。
「……仲間割れしてる場合か?」
「紫鶴!大佐!こんな時に遊ばないで下さい!」
この様子にはさすがに突っ込まれた。よくある事なんだけど今はそんな場合じゃなくて。一番の常識人であるティアに怒られてしまった。睨まれてるよ。紫季にも睨まれてるよ。