24 偽りなく君の手を取る
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「紫季、それくらいにしていただけますか?それと、あなたの要求は断ります。それよりそこをどきなさい」
チラリと紫季を見た後、ディストを見上げる。その言葉に顔色を変えるディスト。冷たく暗い、感情のない表情を見せる。さすがの私もそれには少し悪寒を覚えた。久々に感じた、緊張。
「へぇ?こんな虫けら共を助けようと言うんですか?ネビリム先生のことは諦めたくせに」
ディストの言い放った言葉にジェイドの顔色が変わる。ジェイドにとっての禁句を彼は言った。私は知ってるから、それをここで言うことをこの街の住民を虫けらと読んだことに殺意を些か覚えた。あと一つ何か言っていたら譜術の一発でも放っていたかも知れない。
「……おまえはまだそんな馬鹿なことを!」
「さっさと音をあげたあなたにそんなこを言う資格はないっ!さあ導師を渡しなさい!」
怒りを露わにするジェイド。ディストもジェイドを睨みつけ、門の前に立つ譜業兵器で私たちを襲ってきた。みんなも一斉に武器を構える。その中で何故か、紫季までも彼の愛刀である梓水を、譜業兵器へと向けた。これにはディストだけでなく私たちも驚きを隠せなかった。
「紫季!?」
何の目的があって紫季がここに現れたのか知らない。でもさっきは瓦礫がぶつかりそうになった住民を助けてくれた。ディストが言うには本来はここにいるはずはないと。けどここにいて、ディストを貶して刀を構えてる。その理由は?
「俺は俺の用事かあってここにいるんだ。アイツなんかに邪魔されるのはムカつくんだよ」
ただディストを睨みつけたままで。紫季の用事……今は確認できないね。ならさっさとアイツを片付けてその用事とやらを聞かなきゃ。それに、私も紫季と話さないと。紫季の知らない、あの事を全て話さないと。わかりあえないままは、嫌だから。どんなに長く離れていても大切な弟だから。