24 偽りなく君の手を取る
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「あっぶないなぁ」
「……めんどなのが来たな」
私と紫季は背中合わせに立ち、刀を抜いて瓦礫を弾く。間一髪の所で間に合ってよかった。巻き添えになりそうになった住民に早く避難するように促す。
「ハーッハッハッハッ。ようやく見つけましたよ、ジェイド!」
門の前に降りたった譜業兵器。上空には譜業椅子に乗ったディストで、名指しで呼ばれたジェイドは心底嫌な顔をした。
「何とかと煙は高いところが好きって言うよね?」
「……否定はしねぇ」
思わず出た言葉に少し間を置きながらも頷く紫季。
「この忙しいときに……昔からあなたは空気が読めませんでしたよねぇ」
「何とでも言いなさい!それより導師イオンを渡していただきます」
溜息を吐くジェイド。少しキレたように声を荒げるディストはイオンを渡せと手を差し出す。
「てかディストの方が邪魔だよ」
「とりあえず消えろ」
刀をディストへと向けて睨み付ける。私を、と言うよりは隣に立つ紫季を見てディストが目を見開く。
「紫季!何故あなたがここに!?」
まるで予定が違うとも言いたげな目で紫季を見ている。紫季は紫季でちっと舌打ちをする。
「てめぇには関係ない」
「むきぃー!あなたはヴァンに言われてケセドニアに向かうはずだったでしょう!!」
完全に見下したような態度の紫季に空中で地団太を踏むディスト。いつ見ても器用だね。てか不思議な人だね。
「……うるせえ奴」
「むきーっ!」
何だろう……段々紫季とディストのやり取りだけが進んでるような?みんなも呆気に取られてるよ。うーん、これって止めるべきなのかな。でもちょっと楽しそうだしなぁ。とは言えこのまま放置ってわけにもいかないんだよね。
「やれやれ。仕方ありませんねぇ」
これ以上のやり取りは時間の無駄だと判断したのかジェイドが手をポケットに突っ込んだまま一歩前へと出る。