24 偽りなく君の手を取る
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「なんだか、空気が重いね……」
「マクガヴァン元帥の元へ急ぎましょう」
馬車のおかげで予定より早くセントビナーへと辿り着いた。街へと入ると少し緊張が走るような重苦しい雰囲気が漂っていた。たぶん、アクゼリュスのように崩落が始まっていてそれをわかっているから。みんな顔を合わせ頷き、元帥のいる軍基地へと足を急がせた。
「ですから父上、カイツールを突破された今、軍がこの街を離れるわけにはいかんのです」
「しかし民間人だけでも逃がさんと、地盤沈下でアクゼリュスの二の舞じゃ!」
基地へと入れば聞き覚えのある声が二つ。親子の言い争う声がした。どちらの言い分もわかるけどね。肩を竦めながらジェイドと顔を見合わせる。やれやれ、と。
「皇帝陛下のご命令がなければ、我々は動けません!」
「ピオニー陛下の命令なら出たぜ!」
マクガヴァン将軍の言葉にルークが真っ先に反応して扉を勢いよく開ける。元帥と将軍が同時にこちらに目を向け驚いたように目を見開く。そりゃそうか。
「カーティス大佐、葛城少佐!?生きておられたか」
アクゼリュスの崩落に巻き込まれて死んだと思われた人間が目の前に現れれば驚くよね。てか幽霊を見るような目で見るのは止めて欲しい。それに対して元帥はルークの言葉に反応したようで、陛下はなんと?と訊ねる。
「民間人をエンゲーブ方面へと避難させるようにとのことです」
「しかしそれではこの街の守りが」
相変わらずというか……職務に忠実なのはわかるけどさ。現状をよく見てくんないかな。
「何言ってるんだ。この辺、崩落が始まってんだろ!」
だから今揉めていたんだろうと言う風に怒鳴るルーク。この街を防衛しても崩落に巻き込まれたら命はない。アクゼリュスの住民と同じ末路を、あわせるわけにはいかない。あんな光景、見るのはゴメンだ。