23 過去に囚われた者へ
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「そうしてやりたいのは山々だが、議会では渋る声が多くてな」
「何故ですの、陛下。自国の民が苦しんでおられるのに……」
溜息を吐くピオニーにナタリアが理由を問う。ピオニー自身にと言うよりは承認しない議会に対して疑問に思ってるみたい。
「キムラスカ軍の圧力があるんですよ」
「キムラスカ・ランバルディア王国から声明があったのだ」
「王女ナタリアと第三王位継承者ルークを亡き者にせんと、アクゼリュスごと消滅を謀ったマルクトに対し、遺憾の意を表して、強く抗議する」
ローレライとユリアの名のもと、直ちに制裁を加えるであろう、ジェイド、ノルドハイム将軍のあとにゼーゼマン参謀長官が続けた。その言葉の意味するものを察すれば理解は出来る。あくまで理解は。
「事実上の宣戦布告ですね」
「父は誤解をしているのですわ!」
ダアトで戦争が始まりそうとなっているというのはこう言うこと。アクゼリュスの一件を理由に戦争を起こそうとしている。たぶんモースがそう仕向けたんだろう。
「果たして誤解だろうか、ナタリア姫。我らはキムラスカが戦争の口実に、アクゼリュスを消滅させたと考えている」
ノルドハイム将軍が目を細めてナタリアに視線を向ける。
「我が国はそのような卑劣な真似は致しません!」
「そうだぜ!それにアクゼリュスは……俺のせいで……」
胸の前で腕を組んできっぱりと言い放つナタリア。ルークも始めは少し怒りを露わにしたけど直ぐに俯き、もう取り返すことの出来ない過去を思い出したのか声が段々小さくなっていく。
「ルーク、事情は皆知っています。ナタリアも落ち着いて下さい。本当に戦争のために、アクゼリュスを消滅させたのかはこの際重要ではないのです」
「そう、セントビナーの地盤沈下がキムラスカの仕業だと、議会が思いこんでいることが問題なんだ」
ただ座って談義するだけの連中に住民が振り回されていることには些か憤りを感じる。