23 過去に囚われた者へ
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「……なんでそんなに疲れてるんだ?紫鶴」
聞くな!と叫びたくなる。ジェイドはわかっているからやれやれと肩を竦めて首を振る。あれからルークたちが来るまでの間、延々とピオニーとアスランに囲まれていた。疲労まみれの私をじっと見る三人。
「よう、あんたたちか。俺のジェイドと紫鶴を連れ回して帰しちゃくれなかったのは」
「……は?」
玉座に座ったまま私のことなど気にせず、ニヤニヤと笑いながら訳の分からないことを言うピオニー。予想もしていなかったことも言われたルークは敵国の皇帝の前という緊張が一気に抜けたように目を丸くして変な声を上げる。ティアとナタリアも状況がわからないといった感じ。
「こいつ封印術なんて喰らいやがって。使えない奴で困っただろう?」
困るのはピオニーだよと言ってやりたい。そんなこと言われてるルークがどう答えいいか悩んでるし。あれが普段のピオニーだけど、知らないルークたちは困惑の表情を浮かべてるし。
「陛下。客人を戸惑わせてどうされますか」
「完全に遊んでるし」
さすがのジェイドが助け船を出す。アホ話をしてても始まらんな。ってあんたが始めてたし。そのあとすぐに本題に入ろうと真顔になるピオニーにルークも表情を堅くした。
「このままだとセントビナーが魔界に崩落する危険性があります」
「かもしれんな。実際、セントビナーの周辺は地盤沈下を起こしてるそうだ」
アクゼリュスが崩落してから地震が続いていて、少しずつだけど街は沈んでいるらしいそれにルークたちは顔色を変える。
「では、街の住民を避難させなければ!」
話からするとほぼ崩落することが決まってるようなもの。たとえそうでなくても危険性があるなら住民を避難させよう。ナタリアの言葉は間違っていない。