23 過去に囚われた者へ
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「紫鶴っ!」
報告しに来たってのに相変わらずというか何というか。にしても珍しいな。参謀長官も誰もいないなんて。
「あなたの話のために席を外してもらいました。それとあなたは早く退きなさい」
謁見の間に入って玉座に近付くとすぐにピオニーに抱きつかれた。苦しいくらい力強いもんだから離して欲しくて彼の肩を二回叩いてタップするけど離しやしない。そんな中でも周囲に視線を配らせていた私に気づいたジェイドとが説明してくれる。ついでにピオニーの頭を掴んで私から引き離す。
「や、止めろ!痛いだろうが!」
「わざと痛くしてますからねぇ」
ジェイドに掴まれた頭をさすりながら睨みつけるピオニー。この光景を見るのも本当に何ヶ月ぶりなんだか。ここしばらくの事を考えたら、懐かしいこの光景も和やかなものなのかもね。うるさいけど。
「本題に入りたいんだけど?」
「その前に怪我の方は?」
「治癒術士によれば、しばらくは安静にとの事です」
これじゃあ、いつまで経っても話が出来ない。溜息を吐くとその前にとジェイドが私の首元を見て訊ねてくる。それに答えるのはアスラン。
「包帯が痒いけどね」
苦笑を浮かべて首を指さすと神妙な面もちを見せる。先日の今日だからかな……余計な心配を掛けちゃったな。
「話と、その怪我。関係あるのか?」
ようやく話をさせてくれる気になったみたいでよかった。ピオニーの言葉に頷くと話せ、と言い玉座へと戻る。私が話すと言ったからジェイドからは何も言わないでいてくれたんだ。
「……実は、ね」
この間、ジェイドに打ち明けたことを全て話す。私が何をしたのかを、何故突然暴れたりするのかを、そして実の弟である紫季もこのオールドラントに来ていること。最後にこの首の傷。
「……私は全ての罪を犯した自分が許せない」
だからカースロットによって引き起こされた過去が理性が、私自身への殺意を生み首を切り落とそうとした。両親を殺したことだけじゃない。紫季から実の両親を奪い悲しませた。それも罪。