23 過去に囚われた者へ
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「カースロットは記憶を揺り起こし、理性を麻痺させる術。つまり……元もガイに、あなたへの強い殺意がなければ、攻撃するような真似は出来ない……そういうことです」
残酷とも言えるイオンの言葉に顔を真っ青にするルーク。自分を信じて待っていてくれた親友が実は殺意を持っていたなんてそれこそ信じたくないはず。二人の間にそんなものが存在してなんて私も信じられない。
「紫鶴は、浅かったようですが……いえ。解呪がすむまで、ガイに近寄ってはいけません」
一度私を見た後、首を振ったイオンはアニスと共に去っていった。何とも言えない静寂が広がった。
「よろしければ、しばし城下をご覧になってはいかがですか?街の外には出られませんが、気を落ち着けるにはその方が……」
「……そうさせて下さい」
気を利かせたアスランの申し出に答えたのはティア。ルークは呆然としており、同じく幼なじみであるナタリアもなんて声を掛けていいかわからないみたいで胸の前で手を組んで俯いている。
「それでは我々は城の前で控えてまいますので、声を掛けて下さい」
「あ、アスラン!?」
頷いたアスランは私の肩に手を置き、宮殿の方へと歩き出す。私も一緒にいようかと思ってたから慌てて彼の軍服を引っ張る。
「君は駄目だ。まずは傷の手当てをして、その後は陛下へ報告をしなくてはいけない」
「……あ…」
忘れてた。思い出せば首に痛みが。私の怪我のことを思い出したのはルークたちもで目を見開いてこちらを見ていた。自分で自分の首を切ったんだからそれも思い出したのかも知れない……なぜあんな真似をしたのかと。
「……わかった」
三人にあとでね、と軽く手を振ってアスランと共に軍事医療施設へと足を向けた。終始無言のアスランに、怒ってるのかなぁと内心ビクビクしていたりする。