23 過去に囚われた者へ
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「お礼を言うのはこちらの方です。ただ騒ぎになってしまいましたので、皇帝陛下に謁見するまで皆さんは捕虜扱いとさせて頂きます」
もしかしたらもっと多くの兵士が殺されていたかも知れない。ジェイドやアスランがいるとは言え、シンクたちを宮殿への侵入も許していたかも知れない。そう考えたら、まだこの騒ぎの方がマシなのかも知れないか。
「そんなのはいいよ!それよかガイが!仲間が倒れちまって……」
「アスラン、彼をお願い」
ガイを肩に抱えたまま、自分が捕虜になろうがなんだろうがそれよりガイを助けてくれと願うルーク。私よりガイの方が重傷なんだ。違う、ガイの方が憎しみが強いんだ。
「彼はカースロットにかけられています。しかも抵抗できないほど深く冒されたようです。どこか安静にできる場所を貸して下されば、僕が解呪します」
「おまえ、これ何とかできるのか?」
少し後ろに控えていたイオンが前へと、ルークの横へと歩み寄る。彼の言葉にルークが目を丸くする。そしてこれは自分にしか解けない。本来は導師しか伝えられないダアト式譜術の一つだと。なら何でシンクは使えたのかと疑問が浮かぶ。けど今はそれを考えている場合じゃない。
「わかりました。城下に宿を取らせましょう。しかし、陛下への謁見が……」
「皇帝陛下にはいずれ別の機会にお目にかかります。今はガイの方が心配です」
イオンの言葉にアスランは部下に指示を出す。二人の兵士がルークからガイを引き取る。兵士の後を追ってイオンが歩きだそうとすればアニスも一緒に行くと割り込む。イオンは頷くけど、歩き出す足を二歩で止めて一緒に行こうとするルークを見る。
「……ルーク。いずれわかることですから、今、お話ししておきます。カースロットは、けして意のままに相手を操れる術ではないんです」
厳しい表情を浮かべる。意味がわからないという風に首を傾げる。