23 過去に囚われた者へ
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「……アスラン」
グランコクマの街の入り口にへと辿り着くとそこにはいつ以来だろうか、彼の姿があった。私も一緒だからなのかそれともアスランなら常識を持って対応してくれるという事か。はたまた両方か。
「紫鶴っ!?……怪我をしたというのは聞いていたけど…」
そこまでとは、と表情を堅くするアスラン。いつもならもっと取り乱すのに、と思ったけど状況を考えてくれてるんだ。まあ、軍服が血で汚れてたら驚きはするだろうけど。
「アスラン」
「あ、うん。おまえたちはご苦労だった。彼らはこちらで引き取るが問題はないかな?」
じっと私を見つめたままのアスランに指示を促す。連行してきた兵士もどうしたらいいか困ってるし。アスランが後を引き継ぐと言えば文句はないだろう、はっ!と敬礼をして兵士たちはテオルの森へと引き返していく。
「ルーク殿ですね。ファブレ公爵のご子息の」
「どうして俺らのことを……!」
私の横をすり抜けルークの前へと歩み寄るアスラン。彼が初対面でないにしろ、自己紹介をしていないルークの前へと行き彼の名を呼べば驚きはする。
「ジェイド大佐から、あなた方をテオルの森の外へ迎えにいって欲しいと頼まれました」
その前に森へ入られたようですが、と苦笑する。それにはティアが再び説明をするが、あれは私も悪いからそれを説明するためにアスランの腕を取る。
「私が先に見に行くって言ったから……もっと強く止めておけば……」
「大丈夫だよ。僕は怒ってるわけじゃない」
何か処分があるかもと脳裏に過ぎる。一応、私が止めたとはいえみんなは立ち入り禁止の森の中に入ってしまった。私が監視役として残った意味もない。けどアスランは笑みを浮かべて私の頭を優しく撫でる。