23 過去に囚われた者へ
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「カーティス大佐をお待ちしていましたが、不審な人影を発見しここまで追ってきました」
「不審な人影?先ほど逃げた連中のことか?」
ティアが一歩前へ出て事の顛末を説明する。逃げた者がいたのは確かだからティアの言葉に説得力はある。
「紫鶴。今、回復をいたしますわ」
「…ありがと」
ティアが説明をしている間にナタリアが治癒術を施してくれる。回復をしてもらいながらティアたちに耳を傾けるが、思った通り彼女らの方も十分、不審者とみなされた。マルクト兵士を殺して逃げたのが神託の盾騎士団の者と言ってしまったからそうなるとは思ったけど。ティア、アニスは神託の盾の人間。怪しまれても仕方ない。回復を施してくれているナタリアにも剣を向けるマルクト兵たち。
「……抵抗しない方がいいよな」
「当たり前でしょう」
ガイを方に担いだルークが辺りを見回して苦い顔をする。抵抗すればあっと言う間に多くのマルクト兵に囲まれるはず。
「葛城少佐!大丈夫ですか!?」
「私は平気。彼らは丁重に扱って。あと誰か、ピオニー陛下に伝達を」
ナタリアに治癒術を掛けてもらったとはいえあの短時間では皮が付いた程度だろうな。痛みはまだあるし、下手に動くと傷口は開くだろう。とりあえず首に手を置いておけば止血代わりにはなる、と思う。
「紫鶴、大丈夫ですか?」
「血は止まってるよ。首都に着いたらすぐに手当しもらうから平気」
あんな物を見せてしまったからか、イオンが歩く速度を落とし私の横に付く。一緒にグランコクマへと連行する兵士がイオンを私から引き離そうとするけど、私が手を挙げ首を振れば彼は軽く会釈して下がる。導師イオンを知らないのか、と聞きたくなるけど導師と言えども森に入れられないって言ったくらいだから例外はないんだね。