23 過去に囚われた者へ
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「きゃっ、また地震!」
「ナタリア、上!」
ティアの指示でナタリアが彼女の指した木の上に矢を放つ。矢が当たったのか腕を押さえたシンクが落下する。それと同時に私を支配していた憎しみは激減し、ルークを襲っていたガイはその場に倒れた。
「……地震で気配を消しきれなかったか」
舌打ちをするシンク。カースロットを操っていたのはシンク。そうだ、ケセドニアで私とガイに攻撃をしたのは彼だ。
「やっぱりイオンを狙ってるのか!それとも別の目的か!」
「大詠師モースの命令?それともやっぱ主席総長?」
形勢逆転、と言ったところか。シンクとラルゴへと武器を構え直す。たとえ六神将と言えども封鎖中のテオルの森に不法侵入という罪状で捕まえることが出来る。
「どちらでも同じことよ。俺たちは導師イオンを必要としている」
「アクゼリュスと一緒に消滅したと思っていたが……大した生命力だな」
この状況に危機感はないようだ。焦る様子もない。まだ何か隠し玉でもあるのかな。ナタリアが怒りをさらに露わにするけど、シンクがあっさりと一蹴する。……っ、さすがに首痛いな。
「何の騒ぎだ!」
「ラルゴ、いったん退くよ」
騒ぎに気付いたんだ……っても今更遅いのに。ラルゴも仕方ないという風に去っていった。逃げ道を用意してあったんだ。
「何だ、おまえたちは!」
「…ま、まって……うっ…!」
「紫鶴!」
入れ替わるようにやって来るマルクト兵。誤解されないように私から説明しようと彼らの元へ行こうとするが首に痛みが走るのと思ったより血が流れたようで目の前が霞んだ。膝を付いた私の側にナタリアが駆け寄る。治癒術を掛けようとしてくれたがマルクト軍人である私の側に彼らから見た不審者が側にいるのを見て何か勘違いしたのだろう、動くな!と武器を向ける。