23 過去に囚われた者へ
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「みんなはここに――」
「話してても埒があかねぇ!神託の盾の奴を追いかけてとっつかまえようぜ」
「そうですわね。こんな狼藉を許してはなりませんっ!」
ともかく確認をしに行くためにみんなにはここに残ってもらおうと思ったんだけどその前にルークとナタリアが奥へと歩き出す。え、ちょっ……止めようにもさっさか歩いて行ってしまう。ティアも止めようとしてくれるけど聞きやしない。
「見つからないように隠れて進むしかないな。マルクトと戦うのはお門違いなんだから」
「かくれんぼか。イオン様、ドジらないで下さいね」
「あ、はい!」
更にガイたちまでもが行く気満々でサクサクと歩き出す。私とティアは顔を合わせて、ガクッと肩を落とす。仕方ないとみんなの後を追う。あとで怒られるんだろうなぁ。みんなにも同罪で怒られてもらおう、うん。
「私がいるんだから先に行くなー」
「……紫鶴、もう」
森の中に入れないのに入るなんて捕まっても文句は言えないってのに。まあ、私が捕まえればいいんだろうけど。こうなったらと私も歩き出す。後ろからティアの溜息が聞こえた。
「みんなは隠れながら来てね。私は先に行ってるから」
「お、おいっ!」
「紫鶴!?」
もし神託の盾の人間が入り込んでいるなら、マルクト兵の目をかいくぐりながら森を進んでは遅い。私一人なら先を急ぐのは簡単。最短距離の道で出口へと向かう。
「葛城少佐?」
「少し邪魔するね」
見張りしてる兵士の脇をすり抜け先へ進む。妙な違和感を感じるけど、何だろう。出口向かっての違和感。気配があるわけじゃないんだけど。あと……妙な胸騒ぎというか不安というか、よくわかんないものが体中を駆けめぐる。今は気にする時じゃない。だから頭を軽く横に振って森の奥へと走り出す。