04 触れなくても消えぬ傷
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もう、軍に入団して一年になった。何度かあった魔物討伐の任務や他の内務などの功績が認められて、名もない階級から先日"少尉"に昇進した。昇進に関しては周りは祝福してくれた。けど、相変わらず私はジェイドの家に居候したままだ。一年そこらでは部屋を借りて生活していくほどのお金は貯まらなかった。
「紫鶴って淡白というかドライというか…」
「そう?」
「クールだよ、十分」
友達を作るのがあまり得意ではない私にも何とかふざけ合えるくらいの友達は出来た。全員私より年上だけど。オールドラントでの生活も当たり前のように慣れ、たぶん地球に居た頃よりは充実していると思う。
「紫鶴」
談笑をしている中、声を掛けられる。私以外の全員はその声にビクッと肩を震わせた…何故なら、仕事中に談笑していて話しかけたのが"彼"だったから。
「何ですか。カーティス大佐」
「堂々とサボっていて随分態度がでかいですねぇ?」
何事もなかったように淡々と返事を返す私に、にっこりと笑うジェイド。私のこの態度とジェイドの笑みに他の面々の顔色は青くなっていく。
「陛下ほどでもなければ、大佐の身長ほどでもないですよ」
更にこの発言でみんなの表情が真っ青になった。
ジェイド相手にこんなことを言うのはピオニーか私くらいらしい。
「…まぁいいでしょう。紫鶴、一緒に来てください」
「何処に?」
「それは着いてからのお楽しみです」
上司からの命令だから仕方なく談笑は終わりにし、友人らに手を振って別れて先に歩くジェイドの後を追う。何処に行くのかと思えば軍基地を出て宮殿の方へと移動する。宮殿のほうと行くことは用があるのはピオニーなのかな。
「陛下。お連れしましたよ」
コンコンと扉をノックして返事を待たずに部屋に入っていく。こういう所はジェイドにしか出来なそう。