22 帰りし白き場所で
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「話はそれだけです」
「……なんか振り回されただけみたいで悔しい」
本当に悔しい。これが告白なんて物なんだから尚更。ピオニーやアスランなら適当にあしらったり出来るけどジェイドの場合は向こうの方が上手だからいつも勝てない。
「それはそれは。では、そろそろ戻ってくるルークに口止めをしておかなくてはならないんで」
満足げな笑顔を浮かべたジェイドはそのまま部屋を出ていった。結局、終始向こうのペースで、私は遊ばれただけな気もして。窓の外を見れば周りの様子を気にしながらこのホテルへと戻ってくるルークの姿。なんていいタイミングなんだか。
「……ジョンの様子でも見に行くかな」
あの日から眠り続けている少年。ショックが強すぎて眠っているんだろうとジェイドは言う。このまま目を覚まさないかもしれない。どちらにしてもグランコクマに連れて行き、病院に入れて後に生きている母親と連絡を取ろうという決断に至っている。
「紫鶴」
「どう?」
部屋へ行けばみんないた。彼の眠るベッドを覗けば上半身を起こして両手でマグカップを持って中身を飲む少年の姿。
「あれ?」
「さっき目を覚ましたんだ」
話もしたけど変わった様子はないらしい。アクゼリュスの崩落のことも何となくわかっているらしく、父親が亡くなったことも告げたと。泣きそうな顔をしたけど、おいらは男だから泣くもんか!と必死に堪えたとガイが説明してくれる。
「紫鶴」
イオンに呼ばれジョンのベッドの側へと行く。まだ小さな少年。父親が亡くなったというのに……強い子だね。
「彼女があなたの命を助けてくれたのですよ」
「ほんと!?ありがとう、お姉ちゃん!」
屈託のない笑みを見せてくれるジョン。素直なお礼の言葉に癒される。危険とわかっていてこの子を助けてよかった。私は間違ってなかったとは言わない。けど、この小さな命を救えただけで後悔はない。