22 帰りし白き場所で
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「ただ、『家族』の時間が長かったから、と……私自身、その。恋愛とかが、まだよくわかんない」
二人で暮らしてたって、恋人同士の生活と言うよりは年の離れたお兄ちゃんと生活しているようなもので、男女とかみたいに異性としてみてはいなかった。ついでに言えばそう言う意味で人を好きになったことはない。幼稚園児みたいに何とか君が好きー程度。それを恋愛と呼ぶかはその人次第だし。
「まあ、そんな気はしてました」
「……だって~」
幼い頃から剣術の指南を毎日受けててたし、自分より弱い男には興味はないし、女の子同士の会話で恋愛関係だけはついていけなかったし、話したこともない私を好きだという男子生徒の心理も理解できなかった。簡単に言えば恋愛音痴。年頃になっても私の興味を擽る物は何もなく、過去に捕らわれ続けるだけ。
「片思いすらしたことないし」
「……たまにあたなが年頃の女性に見えなくなります」
わざとらしい溜息を吐くジェイドに、そんな女を好きになったのはジェイドでしょ!とビシッと指さしてやれば、ええそうですよ。それが何か?とかあっさり返されるし。間違っていないだけに何か……今更照れてきた。これなのか。たとえ何とも思ってなくても、告白されただけで嬉しいってのは。
「おや?顔が赤いですよ?」
心底楽しそうに笑みを浮かべる。わかってるくせに、と瞬間的に思える時点で普通の好きとは違うってのはわかる。それがどの部類の好きかは別として。
「うっさい。私だって照れることくらいあるもん」
ここまではっきりと面と向かって言われたのは初めてかも。目を合わせないとか、言い逃げとかはあったけど。気心知れた人に言われたのも初めてで、何か胸ん中がもやもやする。消化不良をおかしたみたいに息苦しい。顔は熱いし、また落ち着かなくなってきたし。