22 帰りし白き場所で
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「……うん」
何が、うんなのかは自分でもよくわかんない。バクバク言っていた心臓はだいぶ落ち着いた。思考回路もほぼ回復した。今ジェイドが求めてるのは私の答えだ。
「とりあえずびっくりした」
「でしょうね」
わかってて言ってんのか。ああ、いや、ジェイドはこういう人だ。私がジェイドにそう言う意味で好かれてるとは思っていないのを理解している上で告白なんてしたんだろうな。と言うよりは私が恋愛関係に疎いって事もわかってるはずだし。何もかもジェイドの手のひらの上にいるみたいで癪に触る。
「と言うかそう言う風に思ってるとは欠片も思ってなかった」
正直本当にそう思った。ピオニーに然りアスランに然り。兄妹ように過ごしてきた。確かにジェイドとは誰よりも一緒に過ごしてきた。上司と部下として仕事をしてるし、何より一緒に暮らしてるのだから一日の大半は同じ時間を過ごしてるから、家族に近い存在になってるような。けど、改めて考えてしまう。告白されると見る目は変わる。本当に何とも思ってない人ならともかく……なんて言うか。
「えっと……」
「無理に答えなくてもいいですよ」
元々は長期戦で行くつもりでしたし。と続けるジェイド。私が返事なんて出来ないのをわかった上での告白。焦らなくていい、ただ知っておいてもらいたかったと。
「ジェイドのこと、好きか嫌いかって聞かれればもちろん好きだよ」
嫌いな人間とわざわざ一緒にいることなんてしない。彼の隣は居心地がいい。だから結構甘えてしまう。似たところがあるからかもしれないけど、落ち着けるとは思う。
「……ただ」
思うことを口にするのは難しい。うまく言い表せれるかとか、伝わるかとか。自分が感じてるものを他人にも同じように察してもらうのは人を斬ることより難しいと私は思う。それで全てが決まることもあるのだから。