22 帰りし白き場所で
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「グランコクマに戻る前にあなたに伝えたいことがありまして」
「伝えたいこと?」
人をいきなり抱きしめたあとに伝えたい事って何だろう。やっぱりいつもと違う様子にこっちが戸惑ってしまう。
「ええ。私があなたを一人の女性として愛しているという事を伝えておきたいと思いまして」
極上のスマイルでの告白。笑顔に気を取られたのか、その言葉を理解できないからか、それとも両方か……何度も瞬きをしながら彼の顔を見る。ジェイドはただ微笑んでいて私の頭の中で言われた言葉が何度もリピートしている。
「もう一度言いましょうか?」
「いい」
クスクスと笑い出すジェイド。何故か冷静に返す私。よく考えろ。今なんて言った?何が起こった?ジェイドが、私を、一人の女性として、愛している。愛してるって事は好きって事で。好きって事は……それって。
「えーーっ!?ちょ!待って!ええ、はいぃ?」
また頭が混乱してきた。ジェイドから離れ、右手は頭を支え左手は前に突きだして待ってと。内容が内容なだけに頭がついていかない。本気なのか冗談なのかもわからない。でもあんな顔で言われたら、誰でも本気にするし。そう思わせる冗談って事もある。相手がジェイドなだけに他の反応が出来ない。
「言っておきますが冗談ではありませんからね」
人の告白を冗談で済まさないで下さいよ。と念を押された。俄かに信じがたいけど、冗談じゃないって言うし。ジェイドが私を?と思うと信じられなくて。今まで兄妹みたいに過ごしてきたから、その境目から抜け出す事なんて考えもしてなかった。冷静に考えるとジェイドは私が思う恋人の条件に満たしている。私より強い人。強いて問題を上げるなら性格か?
「……十秒ちょうだい」
考える時間をくれと言えばあっさり、どうぞと言われた。考えたってどうしようもないんだけど。とりあえず心を落ち着かせなきゃ。