22 帰りし白き場所で
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「話が終わる頃にでも捕まえて念を押しておきますよ」
私でさえジェイドから直接聞けなかった話。それを今、ルークは聞いている。けど、ルークは聞いておいた方がいいかも。私の勝手な考えだけど。
「私は別の話があって来ました」
「別の話?」
わざわざ話があるって、何の話なんだろう。改まったように話す事なんて今までなかったのになんだか変な感じ。こっちまで緊張してきた。
「なんか変だよ?何かあったの?」
ジェイドらしくもない。ケテルブルクに帰ってきたからかな。珍しくナーバスにでもなってるの……いや、そんなジェイドはジェイドじゃない。少なくとも私の知るジェイドは故郷に帰ってきたからってナーバスなんかにならないし、緊張なんかしない。なら、何が彼をそうさせたんだろう。
「ジェイド……っ!?」
私から一歩近づくと同時に背に手を回せれて抱きしめられる。あまりに自然な動作に避けることどころか反応も出来なかった。ただ目の前は蒼で鼻には彼の香水の香りがつく。力強く抱きしめられてるわけでもないから痛くはない。いきなりなことに驚いているけど。
「話があるんじゃないの?」
部屋に入ってから一言も話さず、突然抱きしめてきて何をしたいのかわからない。ピオニーやアスランによく抱きしめられることはあるから男の人にそうされるのは慣れてはいる。けどジェイドからは数える程度しかないからやはり少しドキッとするんだよね。
「先手必勝、と言うわけではないのですが」
少しだけ体を離してようやく口を開いたジェイドを見上げれば微笑んでいる。誰から見てもジェイドは美形だ。そんな人に微笑まれればいくら私でも照れはする。普段のような含み笑いとかだったらともかく。にしても先手必勝って、私そんなようなことされる覚えが何一つないんだけど、と眉を寄せてしまう。