22 帰りし白き場所で
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「……疲れた」
何に疲れたか。と問われれば全部なんだろうけど。崩落に巻き込まれてからゆっくり休む間もなかったし。一人部屋を取ってくれたネフリーには感謝しなきゃ。周りを気にせず休めるんだから。紫季も、一緒に連れて来ちゃえばよかったかな。そうしたら誰にも邪魔されずに話が出来たのに。って訳にも行かないか。
「己のが強さ、か……そんな簡単に理解できたら苦労はしないか」
腰帯を外して葛の葉ごとベッドへと投げる。刀の意味。こればかりは自身で理解しないといけないものだから継承されることはない。大きくなれば自然とわかるよ、まだ紫季もいたころにお母さんが言ってたっけ。大人なって年齢の事じゃないよね、たぶん。時々、答えがないんじゃないかって思うような訳のわからない難しいこと言ってたの思い出す。
「……理解できる日が来るのかな」
私にもわかる日が来るのかどうか。心身ともに鍛え続けるしかないのはわかる。あとは私次第。まあ今のままでは駄目なのはわかってるから、焦らずにいくかな。ルークと一緒にいれば、一緒に成長できるかもしれない。理由はわからなくてもそんな気がする。さてどうしようかとちょうど思ったとき部屋の扉にノック音。はーい、と扉を開ければ見知ったと言うより親しい顔。
「ジェイド?どうかしたの」
「少し、いいですか?」
小さく笑顔を浮かべるジェイドがなんだかいつもと違く見えた。少し緊張しているような、でもジェイドが?って思えて、逆に私が困ってしまう。二年以上一緒にいて一度も見たことのない彼に頭の中はぷちパニック。一応冷静を装ってるけど、心臓は結構高鳴ってる。かといってこのままってわけには行かないから、どうぞと部屋へと入れる。
「ルーク、いいの?」
ネフリーの元に行ったルーク。あそこで何かを忘れるはずがないのは私とジェイドにはわかってる。彼女が呼び止めたのもわかってるから尚更なんだけど。ネフリーがルークを、ってことは何の話かは大体理解できる。だから訊ねた。