22 帰りし白き場所で
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「ピオニーらしいと言えばらしいけど」
「まあ、あの人ですしね」
言い回しはどうあれ、ってことで。みんなからすれば余計にピオニーという人間がわからなくなってるみたいだ。この中でわかってるのはイオンくらいなのかな。
「皆さんも出発の準備ができるまで、しばらくお待ち下さい。この街は観光の街ですから危険はないと思いますわ。宿をお取りしておきます。ゆっくりとお休み下さい」
ネフリーの心遣いに感謝して各々、部屋から出ていこうとしたときだった。視界の端で、ネフリーがルークの腕を取って引き止めているのが見えたのは。チラリとジェイドを見たけど、何も言わない。気にはなるけど何も言わないなら聞かない方がいい。そう言う関係を今まで築いてきたんだから。
「そう言えば紫鶴はネフリーさんと知り合いだったんだ?」
屋敷を出てすぐにそう聞いてきたのはアニス。みんなもそう言えば、みたいにこちらに顔を向ける。まあ、あんな風に接してれば気になるよね。アニスってそう言うことはよく見てるよね。自分のことは結構隠してるけど。
「そうだね。ネフリーも命の恩人、かな?」
「ネフリーもって?」
前に少し話したでしょ?と言うと、わたしくは知りませんわ。とナタリア。そう言えばそうだった。その話をしたのはバチカルへ行く前だからナタリアは知らなくても仕方ない。
「うーん……細かいことも含めてグランコクマに着いてからちゃんと話すよ」
話がややこしくなる。みんなに話した内容の一部は嘘なんだし。孤児であるのはある意味間違いじゃないけど、両親が商人とか捜し物をしていたとかその両親が死んだとかは嘘だし。ああ、両親が死んだのは嘘じゃないけど。嘘話をしたあとに本当の話をすると頭がこんがらがるといけないし、みんなには話をし直せばいい。怒られるのは覚悟の上。ってもみんなも隠し事が多々ありそうだけどね。そこは大人のマナーとでもしておいてあえて聞かない。