22 帰りし白き場所で
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「いえ、それは単に陛下の趣味です」
ガイの言葉をあっさりと否定するジェイド。この乙女心を擽るであろう逸話をいとも簡単に覆す事実にティアたちは言葉を失った。あのカジノってピオニーが遊びたくて作ったんだったもんね。結局のところ、ほとんどケテルブルクには来れなくて自身では遊んでないけど。
「まぁ、ピオニーだもんね」
「……それで片づけちゃうんだ」
みんなから見たピオニーはどう見えるのかわからないけど、私から見たピオニーは……兄バカ一号だしなぁ。きっと私やジェイド以外のみんなにはピンとこないのかもしれない。あれでも一応『賢帝』なんて呼ばれてるんだもん。会えばわかるとは思うけど、想像とは違うだろうから驚きはするかもね。
「そろそろ着きますよ」
話しながら歩いていれば街の端にあるケテルブルク知事邸。先頭のジェイドは呼び鈴を押すことなく屋敷の中へと入る。それに私たちも続くけど、後ろからは、えっ?と声がするが気にせず彼を追う。スタスタと迷うことなく屋敷の奥へと歩くジェイド。一つの部屋の前に着く。コンコンと今度はノックをしたけど返事を待つことなく部屋へと入ればさすがに、ジェイド!?とみんな一斉に声を上げる。
「……お兄さん!?」
突然の来訪者に何を言うか。部屋の主は部屋に入ってきた私たち、というかジェイドを見て目を見開き驚く。
「お兄さん!?えっ!?マジで!?」
「やあ、ネフリー。久しぶりですね」
「久しぶりー」
少しの間があったあと、ルークがみんなを代表するようにジェイドとネフリーを見比べて言う。みんな衝撃を受けているらしく驚きの表情のまま言葉を失っている。私も知らぬ仲ではないから彼女に近づき片手を挙げながら声を掛ける。ジェイドしか見てなかったのか私が側に行くとにネフリーは口元に手を置き一瞬泣きそうな顔をして、ギュッと私を抱き締める。