22 帰りし白き場所で
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そりゃおまえ、自分のところと比べてどうするよ。王位継承権を持ってるおまえにしてみりゃ、どこだってショボいって」
「……べ、別にそういうつもりで言ったんじゃねーよ!」
まだ辺りを見回しているルークにガイが片手を腰に当てて、軽く首を左右に振りながら言う。するとルークは以前のような態度を取ってしまったのかと思ったのか肩を小さく竦める。
「まぁまぁ、ここがさほど開発されきっていないのは、皇帝陛下の思し召しでもあるのです」
「そうだっけ?」
珍しく宥めるように話の間に入るジェイド。けど私は彼の言葉に疑問を零すと、あなたって人は……となんだか呆れられた。どっかで話を聞いたようなそうでもないようなと首を傾げる。
「まあ。陛下は何か特別な思いでもありますの?やはりご自分の育った場所を大切に思われてるのかしら」
「……まあ、陛下の初恋の人が、この街を貴族の好き勝手に開発することを嫌がっていたからではないでしょうか」
訊ねるナタリアにジェイドはクスッと小さく笑ってからそう言った。『初恋の人』と言う言葉に反応したのかナタリアたちはまあ、きゅーん、……素敵。とうっとりしたようにそれぞれ目を輝かせる。それに対して私は、ああーと思い出したような声を上げる。
「結局、その人は身分違いだった為に陛下とは結ばれませんでした。ですから陛下は、なかなか結婚なさらないのですよ」
「切ない話ですわ……」
「ずきゅーん。アニスちゃん感動」
「……報われない恋だったのね」
その話は聞いたな。これについては、まあ、皇帝っていう宿命に弄ばれた……って感じは私にもある。意味合いは違うけど私もピオニーも『血』が自由を奪う。そこに関しては彼に親近感を覚る。
「ってことは、ここに遊ぶ施設が多いのも、初恋の人のためか」
まだ悲恋話に心を奪われているティアたち。うーんと顎に手を起きながら街の入り口付近にあったカジノを思い出してかガイが言う。