22 帰りし白き場所で
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「へー、ジェイドってここの生まれなんだ」
「……まあ、ね」
ルークの問いに苦笑を浮かべて返事をする。ピオニーから聞いてなかったら私はその様子を何とも思わなかっただろうな。
「紫鶴もケテルブルク出身なの?」
「ん?私は違うよ」
言ってもわかんないだろう……というかなんて言うか。訳ありをわかってくれているからかそれ以上は聞いてこない。ありがたいと言えばありがたいけどね。グランコクマに戻れればその事もちゃんと話すんだけどね。
「修理はどうするんだ」
「それも知事に報告してお願いしましょう」
よし、じゃあケテルブルクへ急ごう、とルークの掛け声に頷き雪原の街へと歩き出す。当然、先頭はジェイドで。でなければ雪に埋もれてまともな道のないこの土地で街に辿り着くことなんて出来ないだろうし。
「寒ーい!」
「そりゃ、雪降ってるしね」
両腕をさするアニス。どちらかと言えば露出の多いティアとアニス、ルークは寒いだろう。ティアなんかは顔には出してないけど時折腕をさすっている。雪に埋もれそうになっているミュウを抱き上げてアニスに渡す。
「これならどっちも温かいでしょ?」
「はいですの!」
「紫鶴、ありがと」
少し……かなり羨ましそうにしているティアを見てアニスにこそっと告げる。さり気なくティアにもミュウを抱かせてあげて、と。アニスも意味を察したようで、ああと頷く。
「こっちです」
「……貴族の別荘地って言う割に、あんま大した建物がないな」
小一時間歩けば燦々と降りしきる雪景色の向こうにケテルブルクの街が見えた。街の中に入り、ジェイドの案内の中、歩いているとぽつりと言うルーク。キョロキャロと辺りを見回しおもむろにそう言うからみんなは何を唐突にと彼に顔を向ける。