21 手を伸ばせばそこに
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「追っ手は来ないみたいだな」
「公の場で、イオン様を拉致するような真似はできないのだと思うわ」
一気に第四石碑まで走った私たち。後ろを振り返っても神託の盾兵が追ってくる様子もない。
「でもぉ、この後どうしますかぁ?戦争始まりそうでマジヤバだし」
「バチカルへ行って、伯父上を止めればいいんじゃね?」
今後のことを話し合う。ルークがバチカルに行こうと言うがそれは無理だとティアとナタリアが首を振る。インゴベルト陛下はモースの息がかかっているし信用もさせている。しかも今、バチカルに向かっているから私たちが追いかけても間に合うはずもない。
「私はセントビナーが崩落するという話も心配ですねぇ」
「あの話が本当なら時間はないよ」
アッシュがアラミス湧水洞で言っていた話。ルークが壊してしまったパッセージリングの影響が次に出るならセントビナー辺りだって言っていたし。
「それならマルクトのピオニー陛下にお力をお借りしてはどうでしょう。あの方は戦いを望んでおりませんし、ルグニカに崩落の兆しがあるなら陛下の耳に何か届いているのでは?」
イオンの意見にみんなが賛成する。どの道、ダアトにはいられない。バチカルには向かえない。私とジェイドはグランコクマに戻るつもりだったし。それが今は最良な筈。
「よし、じゃあ決まりだな。でもマルクトに行くのに船はどうする?」
「アッシュがタルタロスをダアト港に残してくれました。まずは港に向かいましょう」
今度はダアト港に向かって歩き出す。そんな中、テケテケテケと私の側に寄ってくるのはアニス。ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべてるからろくでもない事を考えてるんだろうな。
「紫鶴♪」
声だけは可愛いんだから。何を言われるのか見当も付かないけど、あんまり良いことでもないとは確信する。アニスだし。