21 手を伸ばせばそこに
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「イオン!ナタリア!無事か?」
一番奥の部屋に二人はいた。隠すなら一番奥にってのは何処も共通なんだろうけど。一番にルークが中に入るとイオンとナタリアは目を丸くしてこっち見ていた。
「……ルーク……ですわよね?」
「アッシュじゃなくて悪かったな」
俄かに信じがたいのか、確認するかのように問うナタリアにルークはムッと、と言うよりはいじけたようにそう言うとナタリアもムッとしたのか誰もそんなこと言ってませんわ!と胸の前で腕を組んで叫び返す。血は繋がってなくてもそっくりなんだよね、この二人。
「イオン様、大丈夫ですか?けがは?」
「平気です。皆さんも、わざわざ来てくださってありがとうございます」
「倒れてる兵士がいるから様子を見に来てみればこう言うことか」
アニスがイオンの無事を確認していると、扉の方から声がした。見つかったかと一斉に振り返るとそこには彼がいた。
「……紫季」
壁に寄りかかってこちらを見ている紫季。見つかった……そんな感じに全員に緊張が走る。ここで戦闘でもやろうものなら他の神託の盾兵も異変に気付きすぐに囲まれてしまう。
「別に身構えなくても何もしない」
「信用できるか!」
お前は師匠の部下だろ!?ととうとう剣の柄に手を掛けるルーク。みんなもアクゼリュスでヴァンやアッシュと共に消えていったのを見ているから信用は出来ないんだろう。
「ルーク、待って」
ルークの肩をぽんっと叩いて、紫季へと近づく。彼との距離はおよそ三歩くらい。刀を抜く間合いにしては微妙な位置。
「やっぱり、私が憎い?」
こうして向き合えるのが嬉しいのに、そう思うと辛くもある。その原因は私なんだけど。
「……殺したいくらいな」
私を見つめたままぼそりと言った紫季。後ろでアニスが私の名前を呼ぶ。あれだけやり合ったんだから心配するのは当たり前だろうけど。