21 手を伸ばせばそこに
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「質の悪いのに引っかかったね」
「まあ、紫鶴のせいじゃないだろ?」
遊ばれてるティアを見てさすがに何だか申し訳なくなってきた。これしか手段がないって言えばないんだけど。
「こ、これはイタズラではありません!敵をおびき出すための作戦の一つで……」
「命令もないのに不必要に叩いて、神託の盾たちを混乱させる。うーん。楽しいイタズラです」
イタズラを楽しんでるよりティアをからかって楽しんでるようにしか見えないんだけど。哀れな子羊にアーメン……って言ってる場合じゃないんだよなぁ。
「……確かに命令ではありませんが……それは……やっぱりこれつてイタズラかしら……」
あーとうとう本気で悩み始めちゃったよ。根が真面目な分、葛藤してるんだろうけど。そんなやり取りを呆れて見てればジェイドが笑顔で近づいてくる。
「うんうん、青春の憂いですね。若い内はおおいに悩むことです」
「無理矢理悩ませといて、よく言うよ……」
「女の子を惑わす中年……」
いつか罰が当たるんじゃないかって思う。けどジェイドのほうを罰が怖がりそう。
「おや~紫鶴。何か言いましたか?」
「空耳じゃない」
もういい加減行くよ。と頭まで抱え始めたティアの腕を取って歩き始める。冗談抜きで遊んでる場合じゃないし。
「ティアもジェイドがああだってもうわかってるでしょ?」
「え、ええ」
緊張し過ぎなのも嫌なんだろうけど幼気な少女で遊ぶのもどうだと思っただけ。アニスや私じゃ遊べないもんね。遊べるのって世間知らずのルークと超が付く真面目なティアと何でも真に受けるナタリアくらいだもんね。イオンは別格でガイは……遊ぶのとは別。
「あと行ってない部屋はっと」
そろそろ最初に気絶させた兵士も目を覚ましちゃう頃だろうし。本気で探さなきゃね。