21 手を伸ばせばそこに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こ、殺したのか?」
「ううん。峰打ちしただけ」
でもワザと強めに打ち付けたから当分目を覚まさないよ。と葛の葉を鞘へと収める。人の死に人一倍敏感なルークの顔色は悪い。
「……紫鶴」
「まっ、無理に殺す必要はないでしょ?お忍びなんだし」
死体を隠すことは出来ても血溜まりを片付けている時間はない。なら気を失っていてもらって動けないように束縛しておけばいい。その方が効率がいいよ。と何か言いたげにしているジェイドに言えばそうですねと、眼鏡を上げて頷く。
それを何度か繰り返して先へと進む。面白いくらいドラを叩けば神託の盾兵は出てくる。私の最初の行動のせいかみんなも気を失わせるけど殺しはしなかった。
「このドラを叩けば出てくるとは、なかなか律儀ですねぇ」
「集合の合図ですから、当然です」
小さくそのドラを叩く。何を企んでるのか、また怪しげな笑みを浮かべるジェイド。それに真面目に返すティア。
「でも、これはイタズラのしがいがありますよ」
「なくていいと思う」
目をキラーンなんて光らせちゃって。30半ばのおっさんのすることじゃないと思うんだけど、何か考えがあると思うことにしよう。
「神託の盾騎士団は秩序を守るローレライの騎士です。そんな子供みたいな事をする人は……」
「いませんか?でも今だってドラを叩いておびき出しておちょくって……似たようなものですねぇ♪」
「はぁーい☆むしろ楽しんでやってまぁ~す♪」
「楽しいですの~」
悪のり。真面目なティアで遊んでるよ絶対。そーっとその場を離れルークの隣に立つ。
「私のせい、かな?」
「あ、いや。これをやらないと鍵開かないし……」
ドラをミュウに叩くように言ったのは私だしなぁ。ティアは元々、神託の盾の人間だし、真面目だし。ちょーっと可哀想な事したかな。