21 手を伸ばせばそこに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ローレライ教会へようこそ」
礼拝堂に行くと目的の人物はいた。私たちに気付いたトリトハイムはまるで台本を読むように決まり台詞を吐く。がその中にアニスとティアを見つける。
「詠師トリトハイム。大詠師より受けた任務を完了して参りました。つきましては報告のためにここにいる証人と共に、本部への立ち入りを許可いただけますか?」
本来真面目なティアだけどイオンとナタリアを救出して戦争を止めるために嘘を吐く。これがルークだったらあっさりバレそうだけど、そのあたりはさすがティア。淡々と嘘の報告をする。
「……むぅ。大詠師モースの……あいわかった。これを持って行きなさい」
「ありがとうございます」
少し悩んだものの神託の盾本部に入る許可証みたいな木札を受け取る。意外と簡単に行くものだから拍子抜けしてしまう。とは言っても、これでダメなら強硬手段しかない。それだとイオンを連れて逃げるのが大変になるけど。
「んじゃ行きますか」
許可証をもらったからと言っても油断は出来ない。何だかんだと敵本拠地なんだから。イオンやアニスが味方してくれているけど、この教団を牛耳ってるとも言っていいモースとヴァンの目的と私たちとは相反する。ヴァンの真意はまだわからないけど。
「そういや、紫鶴はここに来たことがあるのか?」
さっきアニスと話してただろ?と急に訪ねてきたのはルーク。そう言えばと話に入ってきたのはガイとティア。
「私だけじゃないよ。ジェイドも一緒だったよ」
「一年くらい前ですかね?」
ピオニーから任を受けてダアトに来たのはもうそんなにも前になるんだ。あの時はダアトに入ってから脱出までの時間に制限があった。殆ど初めて来たのに等しい。
「紫鶴には騙されたよねぇ」
「何がよ?」
ケタケタと笑いながら言うのはアニス。私がいつ騙したというのか。