21 手を伸ばせばそこに
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「おっ、アニスじゃないか。こんな所でどうしたんだい?」
見てみたいと思っていた一分後にまさか本当に父親を見れるとは思わなかった。アニスが何してるのか問えば私たちの目的の人物である詠師トリトハイムから伝言を預かっていたという。
「パパ……また変な詐欺に引っかかってないでしょうねっ」
「アハハハハ。パパは大丈夫だよ。毎日預言通りに生きているから、いいことだらけさ」
母親だけならず父親もいい人だ。お人好しのレベルを逸脱しそうないい人だきっと。アニスが心配そうな表情でそれならいいと言った直後にケテルブルク七泊八日の旅が当たったと。ただ出した覚えのない懸賞だから人違いだと連絡したところ敬虔なローレライ教信者への個褒美で一人10000ガルドの格安旅行だからお金も払ったと。
「えっ、それって……」
「ええ」
「……また騙されてる」
彼の言葉にルーク以外の全員が頭を抱えそうになる。思った以上かもしれない、この夫婦。
「そうだよなぁ。10000ガルドぽっちで旅行に行けるかよ」
「お馬鹿、ルーク」
「アホッ。そういう詐欺じゃない」
ガイ。今酷く後悔してる?育て方間違えたと。いや、うん、これが本物の七才児なら素直なよい子なんだろうけど、一応十七才と思うならかなりズレてる。
「最初に旅行が当たったと手紙が来たのに、どうしてお金を払うのかってことよ」
「あ……そっか!」
業者は今頃雲隠れしてるだろう。すぐ騙される父親をアニスが叱咤するが当の父親は疑うのはよくない。旅行に行けない決まった訳じゃないと何とも前向きな発言。こりゃ相当だ。アニスの苦労もわからなくない。そう思っていれば更に人のいい発言をしてアニスをお願いしますとだけ言って去っていった。
「……あの夫婦だからアニスが生まれたんだね」
「そのようです」
アニスがお金にうるさかったりどこか子供らしくないのもそのせいか。納得。