21 手を伸ばせばそこに
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「ティア。第七譜石が偽物だったという報告はしてませんよね。私たちを第七譜石発見の証人として、本部へ連れて行くことはできませんか?」
「わかりました。自治省の詠師トリトハイムに願い出てみます」
そうと決まればまずは教会の中。いざ行こうとルークが声を掛ければアニスからのキツい一言。それでもめげないルークに更なる一言を浴びせれば今度は落ち込んでしまう。これが今の現実。厳しいようだけどそれも仕方ないこと。変わりたいと罪を償いたいというのならば非難を浴びされられても……と言うのを今の私が言うのも如何なものかな。
「あらあらあら!アニスちゃん、久しぶりねぇ」
教会の中に入ると人の良さそうな中年の女性が声を掛けてきた。誰だとみんなで目を向けるとアニスが小さく息を吐く。
「ママ。ちゃんと貯金してる?」
「あらあらあら。大丈夫よ。ちゃんと月のお給金はローレライに捧げているわよ」
アニスの、お母さん。どことなく似てる。ふっと気分が落ちそうになったのをアニスの母親の一言で浮上した。月の、お給金……要は給料を、ローレライに捧げてる。まさか全額!?と彼女に目をやるとニコニコ微笑んでいた。
「まーだそんなことしてんのっ!?それじゃあ老後はどうするのよっ!」
「大丈夫。預言通りに生きていれば、お金なんていらないのよ」
典型的なローレライの信者だ。それが当たり前でそれがなければ生きていけないみたいな。元々この世界の住人じゃない私は預言を詠んでもらったことがないからその価値がわからない。アニスも自分が玉の輿を狙わないとと、がっくり肩を落とす。
「あの母親からあのアニスが生まれたと思えないね」
「あの母親だから、かもしれませんよ?」
子は親に似る、なんて誰が言ったのか。アニスの母親を見る限り、実の親子には見えないというのは私の勝手な見解。父親がどんなんか見てみたいものだ。