20 変わりし君に触れる
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「卑屈だと!」
「卑屈だよ。今更名前なんて何でもいいだろ。せっかく待っててやったんだから、もう少し嬉しそうな顔しろって」
卑屈と呼ばれたルークはカチンと来たのか以前のルークを思わせるように怒鳴る。けどガイは卑屈になったと言う。名前なんて何だっていいって……何でもよくないと思うけど。ガイなりの慰め方なのかな。
「……うん。ありがとう」
「へっ?」
「ルークがありがとうだって……!?」
上から目線でのお礼を言われたことがあるけど、ちゃんと目を見て素直に礼を述べるのは見たことがなかったから私とガイは驚きのあまり一歩後ろに下がってしまった。これは相当な事だ。あんぐりと口が開いたまま元に戻らない。
「彼、変わるんですって」
ティアがガイに近づきこれからは前を改め変わることを決意したと言えば、ティアに近付かれたことでいつものように悲鳴を上げて慌てて彼女から離れるガイ。それを見てティアは溜息を吐きながらあなたは変わらないのねと。ガイのはそう簡単には克服できないかもね。
「紫鶴も来てくれたんだな」
「うん。もしかしたら最後かもしれないし」
嬉しそうに笑顔を見せるルークをなんか可愛いとか思ってしまった。同世代の男の子を……いや、ルークって七才児なんだっけ?あ、なんだか私が照れてきた。当のルークは私の言葉にえっ?と声を上げる。
「このあとグランコクマに戻るんだ」
「……そっか。そうだよな」
だからもう会う機会がそうそうないかもしれないからと説明すれば、ルークはそう言えばそうだと俯く。
「まっ、今生の別れじゃないし。また会えるよ」
ともかくここから出ようよと元来た道を指差す。ちょっと日の光が恋しくなってきたし。いつまでもここにいる必要もないし。まずは外に出なくちゃ何処も行けない。