20 変わりし君に触れる
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ようやくおでましか。待ちくたびれたぜ、ルーク」
「ホントにね」
段々と近付いてくる人影に声を掛ける。向こうは私たちの姿を見て言葉を失っているように目を見開いている。座っていたガイも立ち上がって久々に姿を見せたルークを出迎える。
「へー、髪を切ったのか。いいじゃん。さっぱりしてさ」
「結構似合うね。こっちのほうが幼く見えるかな?」
あれだけ長かった髪の毛をばっさりとかなり短く切ったルークの雰囲気は前に別れたときとは何か違った。少し、柔らかくなったというか。空気までも落ち着いた風にも見えなくない。チラリとティアを見れば彼女は小さく微笑んで頷く。
「ガ……ガイ!」
こちらへと駆け寄ろうとしたのか一歩前に出たと思ったらそのまま立ち止まって顔を俯かせる。
「あん?どうした?」
「……お、俺……ルークじゃないから……」
泣きそうに顔を歪めて言った言葉はそれだった。まさかルークからそんな言葉が出るとは思わず、今度は私が驚いてるとガイはルークにお前までアッシュみたいなことを言うなと今までと何の変わらないように話す。
「でも俺、レプリカで……」
「だから?」
「紫鶴、その言い方は……まあ。いいじゃねぇか。あっちはルークって呼ばれるのを嫌がってんだ。貰っちまえよ」
視線を地面へと落とし、まるで自分は偽者だからその名前は名乗れないという風なルークに私は何てことのない一言を発する。ガイにはもう少し言い方がと言われるが、ガイもガイでその名前を貰ってしまえと簡単に言う。
「貰えって……おまえ、相変わらずだな」
「そっちは随分卑屈になっちまったな」
そんな簡単に貰うとか言うなとでも言いたいのか、でも前と変わらぬ態度のガイに安心したのか少し呆れたようだけど軽く笑みを見せる。