20 変わりし君に触れる
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「……そうだったな」
目を伏せ小さく息を吐くガイ。すごく長いわけじゃないけど結構長く一緒に旅をしていたから、それぞれの場所に帰るってのはなんだか寂しい。
「君は……紫鶴はこのまま軍人を続けるのかい?」
「そりゃね。私は生涯現役で行くつもりだよ」
唐突な質問だったけど、別に隠すこともないことだし、暇だし少し語ることにした。もう三年近く前にジェイドに助けてもらってからピオニーにもアスランにも助けてもらって可愛がってもらって。その恩は一生掛かっても返せない。だから彼らを彼らの愛する国を持てる力を使って守るって決めた。それは誰にも邪魔はさせない。その理由は、詳しい理由はまだ話せないけど、でもいつかきちんと平和になったらみんなに語りたいな。あまりいい話じゃないけど。
「まあ、あの三人が私を嫁に行かせるとは思えないけどね」
私自身、自分より弱い男には興味はない。ついでに言うならばジェイドとアスランは黒い笑みを浮かべて実力行使でそれを阻止してピオニーなんから権力を駆使して止めそうで怖い。それくらい愛されてる自信はある……嬉しくないけど。
「そうか」
「どうしたの?変なガイ」
なんかいつものガイじゃないみたい。何て言うか元気はないし、いつもの天然タラシ振りもないし様子があからさまにおかしい。ルークに会うのに緊張してるのかな。それとも一人で待ちすぎて疲れたのかな。
「……あ」
私たちのいる場所の更に奥から話し声のようなものが聞こえる。もしかしてとガイと顔を合わせれば彼もそうだと頷く。やっと来たかと言わんばかりのその顔はうっすらと口元が緩んでいた。やっぱり戻ってきてくれた。信じてた。そんな感じが露わになっている。
「……よし」
ちゃんと出迎えてやろうと立ち上がる私に対してガイは座ったまま。俺はそれくらい待ってたんだぞって言ってるみたい。