20 変わりし君に触れる
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「ジェイド」
ダアト港でアッシュと別れた後、マルクトとキムラスカが戦争を起こす寸前だと聞き、イオンに導師詔勅を出してもらうためにナタリアも連れてダアトへと送った帰り道。もうすぐ港と言うところで私は隣を歩くジェイドに声を掛ける。どうかしましたか?とこちらに顔を向けるジェイド。
「……アラミス湧水洞に行ってきていい?」
「何をしにですか」
正直言いづらかった。だってルークに会いに行くっていったらジェイドは絶対にいい顔しないもん。
「もういないかもしれない。でも、もし会えるなら……戦争が始める前に会いたいなって」
戦争が始まればルークやナタリア、ガイとは敵対する事になる。もう話をする機会がなくなるかもしれない。イオンやアニスとティアは中立だから会おうと思えば会えるだろう。
「少し話したらすぐに戻ってくるから、ね?」
無言で見下ろすジェイドにちょっとビクビクしながらお願いと手を合わせる。会って話をしてもあのルークのままならこれで綺麗さっぱりと別れて、みんなみたいに見切りを付けることも出来ると思うし。
「……まあいいでしょう。ですがあまり時間はありませんよ」
「うん!ありがとう、ジェイド。大好き!」
ガバッと抱き付きお礼を言って、行ってきまーす!と叫びながらダッシュでアラミス湧水洞へと向かった。だからジェイドが何か呟いたのは知らない。それを知るのはもう少し後。
「この先か……よしっ!」
たぶん魔物が出るだろう。一人だから慎重に行かないと。でもガイは一人で行ったんだよね。急ぎつつ、辺りを警戒しながら先に足を進める。魔物の強さもそこそこだけど何とかならなくもない。あまり集団で出てこられると防戦一方になるからヤだけど。ルーク……戻ってくるかな。もう戻ってこないとか。一番最悪なのはすでにここを通っていなくなってることかな。