20 変わりし君に触れる
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「葛城紫幻流……一の式、霞雲!」
一気に間合いを積め突き出した葛の葉が魔物に刺さると力のままに上へと切り上げる。悲鳴を上げて後退しようとする魔物にアニスとナタリアが見事なコンビネーションで更に追い詰める。
「やれやれ、年寄りをあまり使わせないでくださいねーーフレイムバースト!」
「止めだ。全てを灰燼とかせーーエクスプロード!」
ジェイドとアッシュの譜術が決定打となって魔物は倒れた。あー疲れたと肩を回していたらお前は何もしてないだろう!!とアッシュに怒鳴られた。ちゃんと戦闘に参加したんだからいいじゃんと言ってやろうかと思ったけど眉間の皺が深くなるのと額の血管が破けそうだったからそこは自重。
「なんなの、今の!でかっ!キモっ!」
「フォミクリー研究には、生物に悪影響を及ぼす薬品も使用しています。その影響かもしれませんね」
魔物が巨大化したのはここでフォミクリー研究が行われていたときの影響だろうと。人には大したものじゃないものでも魔物には悪影響なものも多いんだ。バチカル廃工場でも音素暴走による突然変異もあったくらいだし。
「ただいま、イオン」
「紫鶴、みなさん。おかえりな……」
一人留守番して待っていてくれたイオンの側に行くと地面が大きく揺れた。イオンがよろけそうになるのを私が支え、ジェイドとアニスは何とか踏ん張って耐えている。急な揺れにバランスを崩したナタリアをアッシュが肩を掴んで支える。
「あ、あの……ありがとう……」
「アッシュ、カッコイい~」
地震が収まるしばらくの間、アッシュはナタリアを支えていた。地震が収まり落ち着くとアッシュは彼女から手を離す。ナタリアは顔を少し赤らめて礼を述べる。ついでだから少しからかうように私が言うとうるせぇ!とまた怒鳴られた。短気だなぁ、全く。