20 変わりし君に触れる
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「アニス、どうしたの?」
「これチーグル?」
声を掛けるとアニスが目の前の牢の中を指差す。そこにはオレンジ色のチーグルがいてその隣の牢にももう一匹いるのが見えた。
「まあ!こんなところに閉じこめられて、餌はどうしているのかしら」
「生きているんだから、誰かがここで飼っているんだろう。たぶんこいつらはレプリカと被験体だ」
牢なんかに閉じこめられて可哀相だと心配するナタリア。話を終えたのかジェイドとアッシュも側へと近付いてきた。
「そのようですね。星のようなアザが同じ場所にあります」
「この仔たちもミュウみたいに火を噴いたりするのかな」
牢の鉄格子を叩くとそのチーグルは突然アニスに向かって火を噴いた。火を噴かれたアニスは大声を上げて尻餅をついた。大丈夫?と手を差し出せばびっくりしたぁとその手を取って立ち上がる。もう一匹も同じかと隣の牢の前でしゃがむナタリアが鉄格子を叩くともう一匹のチーグルも火を噴くけどさっきのと比べたら何とも勢いがない。
「あら、こちらは元気がありませんわね」
「レプリカは能力が劣化することが多いんですよ」
だからこっちがレプリカなのだろうとジェイドが言うけど、アニスが認識票を見ると、ひ弱なチーグルが被験体だと言う。
「どういうこと?」
「そうですか。確かにレプリカ情報採取の時、被験体に悪影響が出ることも皆無ではありませんが……」
悪影響……その言葉に真っ先に反応したのはナタリア。その影響は何かと更に問うと最悪死ぬと。完全同位体なら別の事象が起きるという研究結果があるとジェイドは答える。その答えにナタリアとアッシュの顔色が悪くなったのがわかった。
「ナタリア、それにアッシュまで。心配しなくてもいいですよ」
異変が起きるのは無機質で十日以内。生物の場合はもっと早いから七年たってもピンピンしているアッシュは大丈夫だと更に続けるとナタリアはよかったと胸を撫で下ろし安堵の息を吐く。