19 彷徨える心
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「紫鶴、落ち着きなさい」
私の言葉にか勢いにか気圧されたスピノザの顔色は悪くなる一方。誰もが言葉を飲んだ中、ぽんっと私の肩に手を置くジェイド。
「すみませんねぇ。自分が同じ罪を犯したからといって、相手をかばってやるような傷の舐めあいは趣味ではないんですよ。私は自分の罪を自覚してます。だから禁忌としたのです。
生物レプリカは、技術的にも道義的にも問題があった。あなたならご存じな筈だ。最初の生物レプリカが、どんな末路を迎えたか」
言葉はやややんわりとしていけどジェイドもジェイドで怒ってるようだ。禁忌にした理由を述べればなにも言えなくなるのを知っているから。人として道徳心があるのならば禁忌にして当たり前だと。
「わ、わしはただ……ヴァン様の仰った保管計画に協力しただけじゃ!レプリカ情報を保存するだけなら……」
言い訳するスピノザにイラっとさせられる。でもジェイドに止められたし私からは文句は付けられない。けど彼の言葉に疑問の残る物があった。
「保管計画?どういうことだ」
「おまえさん、知らなかったの!」
アッシュも同じ事を思ったのかその言葉を口にした。今度はスピノザが驚きの表情を浮かべた。
「いいから説明しろっ!」
「……言えぬ。知っているものと、つい口を滑らせてしまったがこれだけは言えぬ」
顔を逸らし、それっきりスピノザは口を閉ざし語らなかった。これ以上は無駄だと諦め研究所を後にしようとした時だ。
「いかん。フォミニンが足りなくなってきた。あれがないとレプリカは作れないぞ」
「もうか?次にワイヨン鏡窟へ採取に行くのはかなり先だぞ」
「あの洞窟はいろいろ便利だが、ラーデシア大陸まで行くのが面倒だよな……」
そんな研修者たちの言葉を耳にした。にしても誰も彼もレプリカって。なんでそんなものを作ろうとするんだか