19 彷徨える心
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「まさかフォミクリーの禁忌に手を出したのは……!」
「……ジェイド。あんたの想像通りだ」
二人の話を繋ぎ合わせて出てくる結論。ここはレプリカ研究施設があるという。そこにヴァンが出入りしていて、目の前には誘拐犯の一人がいる。デオ峠でのリグレットの言葉。それを思い出せば、ジェイドが顔色を変える。話を知っているからこそ驚くことはないけどそれ以上に憤りを感じる。
「ジェイド!死霊使いジェイド!」
アッシュがワザとジェイドの名を明かせば目の前のスピノザは目を見開き顔色を悪くした。それもそうだろう。彼にとっては罰の悪い人物が目の前にいるんだから。
「フォミクリーを生物に転用することは、禁じられた筈ですよ」
「フォミクリーの研究者なら一度は試したいと思うはずじゃ!あんただってそうじゃろう、ジェイド・カーティス!いゃ、ジェイド・バルフォア博士。あんたはフォミクリーの生みの親じゃ!何十体ものレプリカを作ったじゃろう!」
隠された真実。これを聞いたみんなから驚きを隠せずジェイドを見る。これに驚かないのは事実を知る私とアッシュ、そしてイオンのみ。まさか身近の人物が共に旅をしていた『ルーク』を作り出した技術を開発したなんて思いもしなかっただろう。ここにはいないルークはそれを知ったら何て思うだろうか。罵るのかな……自分をこんな目に遭わせたのが真っ先に自分を見限った人物だって。
「否定はしませんよ。フォミクリーの原理を考案したのは私ですし」
「ならあんたにわしを責めることはできまい!」
「バカじゃないの?」
ありえない。このじじいありえない。誰のせいでこんな事になったのか、それを責任転嫁するような言葉を吐くなんて。
「あんたバカじゃないの?ジェイドがなんで禁忌にしたと思ってるの?それを蘇らして責められない?反吐が出るね」
なにも知らないくせに。私だって全部を知ってるわけではない。それでもピオニーから聞いたときにはそれを痛感させるせた。どう取り繕ってもそれは悲劇にしかならないと。