19 彷徨える心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ところでこの子どうするの?」
ベルケンド港に着いた私たちは全員、このタルタロスから降りて歩いてベルケンドに向かう。その間はこの船内は無人となる。まだ眠ったままのジョンを置いていくわけには行かない。ではどうする……ってことで。
「私が背負います」
ジェイドが彼を背負うこととなった。最初はガイが背負うと言ったけど前衛であるガイが子供を背負うわけにもいかず唯一後衛で男性であるジェイドが背負うことになった。体の弱いイオンに背負わせるわけにもいかないと渋々引き受けた。軍人なんだからそれくらい出来るよね。
「へぇ、こんな所なんだ」
「研究所に行く前にこの子を宿屋に預けます」
連れていくのはさすがにまずいだろうと。宿屋に一泊分の宿泊料を払い、ジョンが目を覚ましても直ぐに戻るからと面倒を頼み私たちは第一音機関研究所へと向かった。
「おまえさんはルーク!?いや……アッシュ……か?」
幾つかの研究室を通り抜け奥のある研究室。その部屋の一番奥にいた老人にアッシュが声を掛けた。彼はアッシュの顔を見て驚きを露わにする。ルーク、と。アッシュを見てルークと言った。
「はっ、キムラスカの裏切り者が、まだぬけぬけとこの街に居るとはな……笑わせる」
「裏切り者ってどういうことですの?」
憎しみを込めて目の前の老人を睨み付ける。彼のどこが裏切り者のなのか。この街はキムラスカ領土だ。なら何故裏切り者などと言われる謂われがあるんだろうか。
「こいつは……俺の誘拐に一枚噛んでいやがったのさ」
吐き捨てるようにそう言ったのはアッシュ。七年前の誘拐事件。ルークをアッシュを浚ったのはヴァンでそれにこの老人が手を貸していたってことなの。自らが仕える国のその王族に連なる少年を誘拐して事もあろうか……っ!!信じられない。アッシュが怒るのも無理もない…いや、アッシュより寧ろ。