19 彷徨える心
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここが空中にあるだなんて、信じられませんわね……」
「それで?タルタロスをどこへつけるんだ?」
さっきまでの光がない泥の海の上から光差す青い海の上に出ると改めて魔界は地下にあって私たちの住むこの大地は空中に浮かんでいると実感させられた。これにナタリアがはぁと溜息にも似た息を吐く。それに対して何かあったのか不機嫌気味にこの後の目的地を問う。あまりに急だったから不思議になってジェイドに視線を向けるが、彼もわからないみたいで小さく首を振った。
「ヴァンが頻繁にベルケンドの第一音機関研究所へ行っている。そこで情報収集をする」
アッシュ曰く、ヴァンの目的を誤解していて本当の目的を知るためにはヴァンの行動を洗う必要があると。よく刑事ドラマで聞くような台詞だけど確かにその通りだ。何処か信用のおけないところも多々あったけど、神託の盾騎士団の主席総長でキムラスカでは絶対の信頼を持つ人物だと思い込んでるのがいけなかったのだ。言葉巧みに上手く言いくるめられ、二人のルークは苦しむことになった。
「あたしとイオン様は、ダアトに帰して欲しいんだけど」
「こちらの用が済めば帰してやる」
今はタルタロスを動かし人間が欲しいから私たちに手伝わせる。なら自分の部下に手伝わせればいいとガイがやっぱり声のトーンを落とせば、自分の行動が筒抜けになるからそれは出来ないと。アッシュに部下を与えたのはヴァン。アッシュの動向も簡単に知られる。
「ちょっと待って!じゃあ紫季は?」
「アイツは大丈夫だ。そんなヘマはしない」
たぶん紫季がアッシュに一番近い。その紫季は置いてきたというのなら、もしかしたらと不安で思わず声を荒げればアッシュは心配はないと。私の中の紫季は幼い無垢な笑顔を見せていた小さな男の子。だからアッシュの言うヘマをしない彼が上手く想像できない。けどなんか妙に納得できて、うん。なんて素直に頷いてしまった。