19 彷徨える心
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「これだけの陸艦を、たった五人で動かせるのか」
「……私もやるの?」
「最低限の移動だけですがね。あと紫鶴は当然です」
あなたはこの陸艦の乗員でしょうと怒られてしまった。そりゃそうだけどさぁ、あんまり得意じゃないんだよね。と言ってもこの人数じゃ何もしないわけにはいかない。渋々と席へと着き操作盤を動かし始める。
「ねぇ、セフィロトって、あたしたちの外殻大地を支えてる柱なんだよね。それってどうやって上に上がるの?」
「セフィロトというのは星の音素が集中し、記憶粒子が吹き上げている場所です」
記憶粒子の吹き上げを人為的に強力にした物が『セフィロトツリー』つまり柱だとわかりやすく説明をするイオン。それを利用してこのタルタロスを再び外殻大地へと押し上げる。大地はともかく陸艦なんて誰もやったこともない事だから上手くいく保証は実はない。とは言え、そんな確証ないの事をジェイドが了承するとも思えない。
「一時的にセフィロトを活性化し、吹き上げた記憶粒子をタルタロスの帆で受けます」
「無事に行くといいですけれど」
「……心配するな。始めろ!」
タルタロスをアクゼリュスを支えていた柱の元へと移動させる。そのままセフィロトの上で停止させると、タルタロスの音素活性化装置が作動する。こんな泥の海から記憶粒子が吹き出すのかと俄かに疑ってしまうが、記憶粒子は活性化を始め、まるで木が根を張り幹を聳えさせるように上空へと吹き出す。それに乗ってタルタロスも上空へと上がっていく感覚が体感でもわかる。その際にすごい衝撃が走り、みんなもそれに耐える。
「うまく上がれたようですね」
「あー疲れた」
安堵の息を吐くジェイドに対して私がそう言うと呆れたようにジェイドが疲れるようなことはしてないはずですがね。と言われ、うん、そうだねぇとたげ返しておく。でも疲れるよ?本当に上がれるのかって思えば緊張くらいするよ、私だって。