19 彷徨える心
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「……アッシュ」
現れたのはアッシュだった。アクゼリュスではヴァンに連れ浚われるかのように消えた彼が私たちの目の前に姿を現した。
「タルタロスを外殻へと上げる」
「ほへっ!そんな事できるの!?」
突如現れて突然意味の分からないことを口にするアッシュ。外殻にタルタロスを戻すなんて。
「嘗ては外殻に大地を持ち上げたんだ。出来ないわけがない」
テオドーロを睨むように見て言った後、踵を返して部屋から出ていこうとする。
「アッシュ!どこに行きますの!?」
「……ヴァンの妹のところだ。そこにレプリカもいる」
それだけを言いに来たのかものの数分で部屋から出ていってしまったアッシュ。タルタロスごと外殻へと戻る手段なんてあるのか、意味心な視線を残したテオドーロへと私たちも視線を向ける。
「出来るのですか?」
「アクゼリュスのセフィロトを利用すれば出来るでしょう」
詳しいことはジェイドとイオンに任せて私たちは部屋を後にしユリアシティを見て回ることにした。どんよりとした空は瘴気に覆われているせいか赤く暗い。海は泥の海と化していてグランコクマから見えるあの青い海が嘘のようだった。
「紫鶴」
「なに?」
適当にフラついていればガイに名を呼ばれる。いつもの笑顔のようでそうではない笑顔を浮かべている。何がそうしたのかはわからないでもない。
「いや、な」
「ルークのことでしょ」
完全にルークを見限れないガイ。親友だから、いつかはわかってくれると信じてるから。でもガイが幼い頃から知っているルークはルークであってルークじゃない。途中から『レプリカ』のルークになっていた。ワガママなルーク。そんな彼にみんなは呆れて見限る。でも私は完全には見限れなかった。
「私に、疚しいところがあるからかな…」
「えっ?」
まだ話せない。それが疚しいところ。意味がわからないと目を丸くするガイをそのままに私はこの場を後にした。