19 彷徨える心
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「久し振りですね。テオドーロ」
「イオン様?なぜここに……」
街の中へと進んで行けば中の建物の構造もなにもが私たちの知るものとは違っていた。少しばかり前に行ったダアトに似てるところがある気がしないでもない。それでもだいぶ違うけど。イオンに案内されて辿り着いたのは一つの大きな部屋。その一番奥にいたのは年配の男性。
「実は……」
事の経緯を説明するイオン。話を黙って聞いていたテオドーロは最後にそうですかと一言呟くだけ。驚くでもなくただ一言だけ。上から街が落ちてきて人が大勢死んで生き残った私たちがこの街に何とか辿り着いたというのに眉一つ動かさない。
「ティアは?」
「あとから来ると思います」
そうか、ティアってここの出身だって言ってたっけ。何で知ってるんだろうって思ったけどそう言えばそうだった。
「孫が世話になってますな」
「孫…?ティアが?」
私たちに頭を下げるテオドーロ。ティアがここの出身だという事はわかったけどまさか市長の孫とは。私とアニスは同じ様に目をぱちぱちさせる。他のみんなも驚いたようだったけど。
「孫と言っても両親を亡くした二人を引き取ったまでです」
「実のではないのですか?」
聞くところによるとティアは元々はホドの出身でホドが昔に崩落したときティアはまだ母親のお腹の中にいてヴァンの譜歌によって二人は助かったがティアを生んだ後、亡くなったと。孤児となったヴァンとティアを彼が引き取った、と。どうやらホドもアクゼリュスも預言によって崩落したという事も聞けた。なんか釈然としない話だけど。
「話がある」
私たちの後ろかの声。ここにいないティアの声ではない。全員で声の方に視線を向ければそこには紅い、長い髪を揺らし緑の瞳でこちらを見据える。コツコツと足音をたてて近づいてくる。