18 受けるべき報いの道
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「まずは、何からかな……そうだね」
座席の一つに腰を下ろす。何処から話そうかと天を仰いで考える。話すなら、最初からか。
「私と、紫季はね。実の姉弟なんだ……何となくわかってたと思うけどね」
「それなりの仲とは思ってましたが……」
姉弟だとは思いませんでした。ポケットに手を入れ壁により掛かるジェイド。
「うちは、葛城の家では長子以外の子供は御法度なんだ……昔ね、家督を巡って兄弟で争いがあってから、分家……まぁ、本家の弟子なんだけどそれ以外は第二子を生むことを禁じられたの」
元の話がいつの時代のことなのかよく知らない。そんな歴史は黒として残さない。栄光など白い歴史のみが残り、ただそれだけが絶対だと受け継がれてきた。
「それがいつの時代かは私は聞いてない。私に兄弟をってお母さんは紫季を生んで、お祖父ちゃんも婿養子であるお父さんもそれを許可してくれた」
けど、第一の悲劇は起きた。紫季の存在はすぐに分家に知れた。そのせいで紫季は遠い分家の家に養子に引き取られた。
「私が五才で、紫季が四才。それっきり、連絡を取ることも許されなかった」
それからたった五年。たった五年でまた変わってしまった。悪い方向へ。
「紫季とも連絡取れないまま五年も過ぎて、それでね……」
蘇るは忌まわしき思い出。一等に最悪な、思い出が頭に蘇る。消せるなら消したいけど、一生消えることはなく、一生のし掛かり続ける。
「私、ね……十歳の時に……人殺したんだ…」
今は着替えた真っ白なグローブに包まれた両手を見る。このときのことを思い出すと、白い手は真っ赤な血の色に見える。この罪はどれだけ償おうとも消えることはない。どう抗おうと消えることもない。それが私が犯してしまった罪。裁かれることはなく何もなかったかのように今までの何ら変わらない生活が続いた。