18 受けるべき報いの道
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「えーっと…あははっ……私も――っ!?」
自分自身が居たたまれなくなって逃げ出そうと入り口のほうに体を向けると後ろから抱き締められる。力いっぱい、だけど優しく。あまりに突然で、しかもジェイドがだからまるで石にでもなったかのように体は固まってしまった。
「ちょ……ジェイド?」
背の低い私なんかはジェイドの腕の中にすっぽりと収まってしまう。今まで、二年以上も毎日。ほぼ毎日、ジェイドと一緒にいる。抱き締められたことがないわけでもない。だけと、今回のは何か違う。その違う雰囲気に言葉が出ない。今まで感じたことない何かが掛け巡るような。ドキドキ、ってやつなのかそれすらもわからなくてただただ呆然としてしまう。
「……あまり、無茶はしないで下さい」
どれくらい経ってからか、何も言わず動かないジェイドが言葉を発したのは。さっきまでの怒気を含んだ声は何処に行ったのか今にもかき消されそうな声だった。初めて、こんな弱ったジェイドは初めてでまたも言葉を失う。彼は、こんな人だったっけ?
「あなたは私が、私たちが守ると決めたんです。だから、一人でどこかへ行かないで下さい」
ああ、心配かけたんだな。自分ではそのつもりはなくとも、他人から見ればそうなんだ。ここしばらく、自分の感情が抑えられなくていつも以上に周りが見えなくなっていた。最悪の再会が一番堪えて、辛かった。全てを話す勇気はなくて……だからと言うか、相談する事も出来ない。ついつい感情に任せて先走ってしまっていた。
「……ごめん……今度こそ、ちゃんと話すよ」
「紫鶴」
ぽんぽんっとまだ抱き締めたままのジェイドの腕を叩く。話すからとりあえず離してくれとの意思表示。この体勢のままじゃ話すに話せないよ。と言えば、すみません。そう言ってようやく離れてくれた。