18 受けるべき報いの道
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「紫鶴!怪我をしていらっしゃいますわ!」
「ああ、ヴァンに斬られたんだっけ」
黒のインナーが切り裂かれ、その隙間から見える腕は血が流れ出ていた。たぶん一度は止まっていたんだろうけど、さっき手をついてしまったことでまた傷口が開いたんだろう。痛むのは痛むんだけど現状把握と打破が先と思って放っておいて見たり。
「ヒール」
ナタリアが回復を施してくれれば傷は綺麗に消えて痛みもなくなった。礼を述べれば傷が残らなくて良かったと笑みを零す。
「……うっ」
「ご主人様!よかったですの!」
一人まだ意識を失っていたルークが目を覚まし、ミュウが嬉しそうに耳を揺らしながら側へと寄る。状況が把握できないルークがミュウに問うけどミュウもわからないと長い耳を垂らしてしまう。
「ティアがあの譜歌を詠ってくれなければ、私たちも死んでいました」
「譜歌で命拾い…か」
ユリアの残した譜歌。それを詠ったティアのおかげで助かった私たち。落ちたのに天井というか空が見えない……それだけの高さから落ちたのに歌で助かるなんて、私の世界では考えられない。と改めて思ってしまう。
「……酷い現状だね」
辺りを見回せば死体の山。ナタリアの言うとおり生き残ったのは私たちだけだろう。イオンが少しでも生き残っている人がいれば捜したいと言うけど……見た限りでは生存確率は極めて低い。
「……う……ぅ……」
「誰かいるわ!」
みんなで周囲を確認するが生きている人は見当たらない。が、どこから小さな呻き声が聞こえた。その声の方を見れば泥の海の上に何かが見えた。目を凝らせば無数に浮かぶ板切れの一枚に人が見えた。さらに目を凝らせばそれはアクゼリュスの坑道で現場監督をしていると言ったパイロープさんと息子のジョン。あのままでは……