誰よりもあなたを…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それだけでいいのか?」
「いい」
アクゼリュスの一件でたぶん俺はヴァンを疑い始めてる。かなり重要なことを隠してるはずだ。同士……その言葉を簡単に受け入れてしまったからその真意が見えていない。
「お前がユリアシティに行ってる間、探れることは探っててやる」
「紫季?」
コイツも自分の知らない何かを知りたいんだ。俺も騙されてるなら癪に障る。助けてもらった恩はあるがそれとこれとは別だ。
「ところでユリアシティに何しに行くんだ」
「あのレプリカ野郎をぶっ殺してくる」
ぶっ殺す……ずっとブツブツ言ってたもんな。俺の言うこと聞きやがらなかったからって。
「ともかく無理はするなよ。あと伝言は伝えておくが……」
「次会うときは……たぶん大丈夫だよ」
ほんとにたぶんだけど、正直ザオ遺跡以来……あそこまであった憎しみが薄れてるんだ。認めたくなくてもそれが事実で。まるで迷路みたいに心境が入り交じっていてどう言葉にしていいのかは分からないけど、
「俺は誰よりも…」
無意識に出た言葉。声が小さすぎて聞き取れなかったのかアッシュが何だ?と少し不機嫌気味に聞き返してきたのを何でもないと答える。これが本音なのかと思うと滑稽で仕方ない。あれだけ、何年もの間憎くて仕方なかった相手に思う感情じゃない。
「とりあえず、気をつけて行ってこい」
「お前こそ変に勘ぐられるなよ」
ひらひらと手を振れば片手を挙げて答えたアッシュはそのままダアトを後にした。まずはヴァンの本当の目的を少しでもいいから探らなくてはならない。怪しまれないように……たぶんアリエッタも真意は知らないだろうな。勘だけど。事の全てを知ってるのはそれ以外の六神将か。
「どうすっかな……」
今の俺を見たら何て言うだろう。それでもいつか見た笑顔を向けてくれるのだろうか。
それはまだもう少し先の話………