誰よりもあなたを…
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「言っておくが、アイツらは生きてるぞ。当然、ヴァンの奴も知ってる」
「なっ!?」
眉を寄せたままゆっくりと俺の方に顔を向けるアッシュ。けど俺はアッシュの言葉に驚きを隠せなかった。あの街にいる人間を全部崩落に巻き込ませて消すって言ったはずだ、なのに。
「そのためにヴァンの妹をあそこに連れていったんだ」
あいつが何より大事にしている妹を見捨てるはずがない。保護しようとしてるところを邪魔してやったのもそのためだ。と、俺を睨みつけながらアッシュは言う。
「ヴァンが言ってた譜歌ってやつか…」
飛び乗った魔物が上空に上がりきる前にあいつが何か言ってたな。譜歌がどうとか…それで助かったって言うのか。ここに来て二年経つが未だにそのあたりはよくわからない。あまりにも俺らの世界と違いすぎて。
「ヴァンも譜歌を使って昔、生き延びたらしいしな」
ホド……ヴァンの生まれ故郷も崩落して無くなったって言ってたか。その後は母親が妹を生んで死んで、他のところに養子になったって聞いたが何かよくよく考えると辻褄の合わないところや分からないところがあるな。
「ヴァンの奴はお前には大したことを話してないぞ」
あいつは俺にすら話してないことが多い。話せば計画に協力しないとわかってるからだ。確かにアクゼリュス崩落のことを聞いていたら俺はヴァンの奴に協力しなかっただろうしな。アッシュは吐き捨てるようにそう続けた。いい言い方をしても悪い言い方をしてもヴァンは口が上手い。巧みに人の心理を読み、それを利用する……果たしてこのままヴァンに付いていくことは良いことなのか?
「ともかく、俺はユリアシティに行く。紫季、お前はどうする」
誰を信じてどう進めばいいのか、ヴァンに疑問を持ち始める。どうしていいのかわからない困惑の俺に問うアッシュ。