この腕に抱けるなら
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「相手は死霊使いと恐れられた男と蒼炎の瞬光と謳われた女だぞ?世界が滅んだって死にやしないさ」
ジェイドと紫鶴が共にいるなら誰が何が立ちはだかってって負けることはないだろう。あの二人の『強さ』はこのマルクト軍に所属するものなら誰でも知っている。二人が二人、その名を世界に知らしめているのだから。
「俺はその屍をこの目で見るまで信じない。ジェイドも紫鶴も俺に許可なく死ぬことはない」
だから死んでない。生きているはずだ。ピオニーが言うと不思議にそう思えてならない。そうだ、あの二人がそんな簡単に死ぬわけがない。ケセドニアで最後に見た少女の姿を思い出す。
「そうですね。僕の紫鶴がそんな簡単にいなくなるわけがありません」
「……なんでお前のなんだよ」
不安いっぱいの悲壮感を露わにした表情から一変、そりゃそうだと笑顔を見せるアスランを横目で見るピオニー。いつから紫鶴がお前の物になったのだと。
「紫鶴は目に入れても痛くないほど可愛い僕の妹です。どこの馬の骨とも不遜な輩にも渡しません」
それが皇帝であっても死霊使いであっても。私の許可なく誰かに渡しませんよ……今日一番の笑みを浮かべるがその姿は気迫に満ちていてピオニーはすぐに言葉を返すことが出来なかった。この手のタイプは天然で怖いと。
「お前が言うと冗談に聞こえん……さっきまでこの世の終わりのような顔をしてた奴には見えないぞ」
「私は陛下が取り乱すかと思いましたよ」
この報告を聞いたときは本当に絶望感に襲われたんです。二度と会えない……ならケセドニアで会ったときに連れ戻しておけばよかった。様々な後悔が頭を過ぎりました。そう続けるアスランにそりゃあ俺だって驚いたさ。けど死んでないと確信はあった。ふんぞり返るピオニーにクスッと意味ありげな笑みを浮かべるアスラン。